ネパ-ルランタン谷
キャンジュンゴンパから最奥のランタン氷河へ

ランタン谷は「世界で最も美しい谷」と言われている。イギリスの登山家ティルマンによって紹介され、
現在でも多くの人にそう呼ばれている。真意のほどはともかく、ティルマンがこの地を訪れたのは雨季の季節だった。花々が咲き氷雪のヒマラヤの景観と相まって、さぞ、美しい谷になっていたことであろう。
ランタン谷には、過去、登山も含めて5回訪れた。しかし、いまだ、花のランタン谷を訪れたことはない。




ネパール.チベット国境の山.ランタン.リ 7205m

最奥の村、キャンジュンゴンパを出て4日目、ようやく標高5000m地点にたどり着いた。ランタン氷河は濃いガスに包まれていた。翌朝、テントから顔を出すと、雲ひとつない快晴、目の前にランタン.リ(7205m)が望めた。感激の一瞬だった。
ここはランタン谷最奥の地、チベットとの国境も近い。



ランタンリルン(7245m)


ガンチエンポ(6387m)

ナヤカンガ(5846m)
キャンジュンゴンパの裏山に登ると、展望が更に開ける。ランタンリルンの全容が望め、ここから上部へと草付の踏み跡が続いている。リルン氷河越には、大きなクーロアールが望め、南東稜ルートもしっかり確認できる。
更に尾根を登り、最高地点から右に回りこむと、ガンチエンポやナヤカンガの上部が望める。踏み跡はあちこちにある。下りは適当に谷沿いに取れば、キャンジュンゴンパの少し上の台地に降りられる。



ペンタン.カルポ.リ(6865m)

グル.カルポ.リ(6891m)
ウルキンマン(6151m)
ランシサ.リ(6427m)
トライアングル(6485m)
ランシサカルカから上部は訪れる人も少ない。ランタン氷河の左岸に、ピラミダルなウルキンマン、ペンタンカルポリ、その右奥にはグル.カンポ.リが望める。
ランシサカルカからは、のどかな草地をたどる。更にアブレーションバレイから、ランタン氷河に降り立つ。下降地点は、足場が悪く、要注意。氷河湖も現れ、奥地まで来た感じだ。登るほどに、ランシサリも少しずつ姿を変える。ペンタンカルポリも近くに望め、それに続く急峻なトライアングルは岩と雪の突起だ。
ランタン氷河は歩きにくいが、所々にケルンがある。我々も、帰路、幾つかのケルンを積み、道しるべを造った。ペンタンカルポ、キャンプから途中、ドルジェラクパを見にランシサ氷河を登るが、あいにくの悪天候、途中で下山する。
ランタン氷河に戻り、更に上部を目指す。
標高は5300mに到達した。ここまでくるとランタン氷河は明るく開け、チベット領シシャパンマ(8027m)が目の前だ。氷河のモレーンの左にキュンカリのヒマラヤ襞が美しい。左方正面には、ランタン.リが更に近づいて見えた。


右.キュンカリ6578mと無名峰5891m

ドログマルポ.リの無名峰

ゴルドム6620m

シシャパンマ8027m


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