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初めての韓国の山。日本からも近く、名古屋空港からのフライトはたったの1時間30分。信州から九州や北海道の山に行く事を思えば、身近で安く(2泊3日で39.800円、5星ホテル、食事別)しかも異国の雰囲気も味わうことができる。 今回出かけた斎州島には、韓国の最高峰ハンラ山がある。標高は1950m。日本の山に比べると高さこそ劣るが、登る標高差は1200m。安曇野から常念小屋までとほぼ同じ。 日頃、我が家は、夫婦揃って旅に出ることはなかなか難しい。いつもネパールなどへ別々に出かけており、今回、短期間ならなんとかなるだろうと、思い切って休み、出かけることにした。チョット声をかけたら総勢6名になる。
10月29日(曇) 名古屋空港−韓国斎州島 車で名古屋空港へ向かう。夕方17時50分の便で韓国斎州島へ、19時15分チェジュ空港着。わずか1時間30分ほど、本当に近い。チェジュグランドホテルにチェクイン、ロビーのレストランで登山の打ち合わせ。その後、明日の車の手配。外に出て車を探すが英語は殆ど通じない、しかし日本語を話せる人が結構いる。タクシーは2台で往復10.000円、話に聞いていたよりはかなり高い。しかし、夜も遅いので時間をかけての交渉は難しい。この値段で話をまとめる。 10月30日(快晴) ホテル−ハンラ山−ホテル 朝食は日本から持参のおにぎり。やはり、ホテルのレストランは早朝営業していなかった。こんな事もあろうかと朝、昼食は日本から用意してきた。おにぎりは洗面所のシンクにお湯をため、ビニール袋に入れたまま温める。数分でほかほかのおにぎりの出来上がり。これが暖かくて美味しい。なんと言っても米は信州産コシヒカリだ。 約束の5時30分に車がくる。1名が寝過ごしてまだロビーに来ない。20分遅れで全員揃い5時50分に出発する。登山口迄わずか15分で着いた。ここで入山料13000ウオン(130円)を支払う。 今回の登山は、抜戸岳(サンパナ)コース。韓国の山は、環境保護の為好きなコースを登るわけには行かない。登山規制があり入山前に確認の必要がある。出発前、日本の「韓国観光公社」に問い合わせ、事前に確認をした。今年はサンパナコースと霊室コースの2個所が登山可能で、今回は、途中に売店のあるサンパナコースを登る事にした。 韓国の山を計画した時、やはり水場は重要なポイントであった。コース中に水場がないと下から持ち運ばなければならない。いままでの記録を見ても書かれていないし、まあ売店があれば飲み物があるだろうと考えサンパナコースに決めた。 歩き始めは平坦な道が続く、徐々に登りになるが歩き易い道だ。1時間程登ったところでトラブルが発生、Yちゃんの靴底が剥がれ大変な事になる。登った道を下り、「下山した方がいいよ」「Yちゃんに付き合っていたら皆登れなくなるぜ!」と伝えると、「せっかく来たからその辺まで行って下るから・・心配しないで・・・」先に行って、と、言うことで、再び登り返す。 8時30分に水場につく。ここでは山の美味しい水が飲める。ベンチもあり暫く休憩をとる。周辺の木々は紅葉しているが茶色で日本の雑木林の感じだ。。 ここからの登山道は、全面板張りになっていたり、道の両脇にロープが張られ道に迷う事はない。植物への生態系保護も兼ねてのことであろう。また、要所にしっかりしたトイレも設置されている。1700m地点の売店には9時20分に到着した。コーヒーやコーラが100円ほど。カップラーメンもある。売店の前庭は板張で、椅子もあり、どこでも腰を下ろし休める。周辺にはつつじがあり春には満開の花が楽しめるそうだ。全員到着したのが10時20分。驚いたことに山を下ったはずのYちゃん親子が登ってきた。靴は両足とも剥がれ大変。もうここまで来たらしかたがない、行くしかない。 売店からは溶岩混じりの登りが始まり、徐々に急登になる。韓国の人達が賑やかに登って来る。ビニール袋をさげた人、空身の人、本格的なスタイルの人、服装もさまざまだ。結構登山熱が盛んなようだ。途中休んでいる人達からみかんなどをもらう。 森林限界を過ぎると、枕木や板張りの道になる。登山道の両脇は木の柵が設けられ、振り返るとチェジュの町が見下ろせ、日本海も望める。生まれて初めて登山をする姉が以外に頑張っている。トップグループだ。自称、山やのおばさん達は、最後の登りで足がもたつき遅れている。みんな、そんなに若くないんだからね。 トップグループが山頂に着いたのが11時30分、最後尾が12時10分、全員が快晴の山頂に立つ。 山頂は多くの人で賑わっていた。ここも板張りになり段差もつけられ、どこにでも腰を下ろし休める。韓国の人達もピクニック気分で、皆、満ち足りた思いで食事をし、飲み、くつろいでいる。「日本からきたよ」と言うと、皆、親切にキムチなどをご馳走してくれた。大根のキムチがおいしかったこと。「こちらにきて一緒にどうぞ」と、声をかけてくれるグループもある。みんな親切で気持ちのいいひとばかりだ。それぞれに素朴さが感じられるし、優しい。 12時30分に頂上を後にする。1時間程で売店着。Yちゃん親子がなかなか来ない。暫く待つことにする。靴底が剥がれやはり苦労しておりてくる。皆からスカーフなど紐になるものを提供してもらい、両靴底を固定、だましだまし歩く。誰かが持っていたゴムバンドが役に立った。 登山口には、15時に車の迎えを頼んであるので急がねばならない。他のメンバーには先に下りてもらい、ワイフには車を待たせておくよう頼む。私はYちゃん親子に付き添って下る。10分おきくらいに靴の紐を縛りなおし下る。韓国の人達も気の毒に思ったのか助けてくれる。時々、道の板張りの個所は靴下のみで歩いたり、親子で靴を交換して歩いたり、もう、大変だった。すでに靴裏の先端から、かかとまで剥がれているので、紐で留めなければどうにもならない。 山頂を発って4時間、ようやく登山口への目途がついた。薄暗い林の中の道を、暗くなるまでに下らなければと下山を急ぐ。 心配して車の運転手が迎えにきてくれる。登山口に着いたのは17時だった。 帰路、車窓から、オレンジが沢山実っているのが見える。道路も整備され車も少ない。どこの国に行っても郊外はのどかでいい。昔ながらの自然が残っている。 宿に着き、ひと風呂浴びて、名物の焼肉を食べに行く。日本で食べるものとは全く味が違うし、本場韓国の焼肉は、やはりうまい。さんざん食べて飲んで1人2.000円ほどだった。 10月31日(曇) 韓国斎州島−名古屋空港 朝はゆっくりと起きて、のんびりコーヒーをいただく。昨夜は焼肉も食べたし、もうひとつの目的、あわびのお粥を食べに行く。その後、町を散歩、15時10分の飛行機で名古屋空港へ、山とグルメの2泊3日の旅は終わる。 今回の山旅は、行きと帰りが曇り、登山日が快晴、ワンチャンスしかなかったが、全くついていた。常日頃、真面目に、よく働いて、人にやさしく親切にし、神様はちゃんとみてくれてますね〜。
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